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居心地のいいキッチンを創造する

1950年頃まで日本では台所の主役といえば「竃(かまど)」。ガスや電気が普及するまでは火をおこすための薪割りという重労働を伴う上に、薪に火をつけて燃やすのも手間のかかることでした。もちろん薪が燃え出せば煙が上がり、灰が舞います。長屋の狭い空間なら、夏場はその熱にも苦労したはずです。当時に比べると今は便利な家電製品や調理器具が増え、炊事の負担が大きく軽減されました。しかし、どんなに合理的で機能的になっても、キッチンから聞こえる「トントントン」「ジュージュー」といった音や、ごはんの炊ける美味しそうな匂いは、家族に安らぎを与えてくれます。キッチンに立つ人のぬくもりや愛情のこもった料理が家族を笑顔にすることは、今も昔も変わらないのかもしれませんね。居心地のいいキッチンをどんな風に作っていけばよいか、一緒に考えてみましょう。


料理が楽しくなる快適キッチン

料理が得意な人もちょっぴり苦手な人も、快適な空間であれば毎日キッチンに立つことが楽しくなるはず。ただ、どんな快適な空間であっても家族の口に入るものを扱う場所だから、衛生面には気を付けたいですね。見せる収納もステキですが、汚れたら布巾等でサッと拭けるフラットな状態のキッチンもスッキリしていて使い勝手が良いでしょう。毎日料理をするとキッチンはどうしても油や汚れが色んな所に飛び散るものです。特に汚れの目立つコンロ周りや流し台などの水回り、その周辺の壁は特に清潔に。また肉眼では見えにくいので見落としがちですが、出しっぱなしの調味料や食器にはホコリが着実に溜まっています。調理器具は引き出しや吊戸棚、シンク下収納スペースに収納するのがオススメ。また、その時に使用頻度や動線に合わせてセットすること、本当に必要なものだけを使いやすいよう手が届く範囲に収納することが、快適キッチンのポイントです。

 

居心地のいい環境でストレスフリーに

皆さんはどういう部屋だと居心地がいいと感じますか?冬は暖かく、夏は涼しく風通し良く。やはり室温がカギとなります。また日当たりが良く明るいことや、椅子があったり床が柔らかだったりと長居しても疲れない環境というのも重要です。大抵の部屋は、そうしたことを考えて作られますが、キッチンはどうでしょう?キッチンの居心地の良し悪しがやる気を左右し、料理のメニューも変わります。部屋としての快適度をアップさせれば、家族全員の食生活の向上や健康維持にも繋がるのです。まずはエアコンの位置に注意して。次に足に優しい床材を選んで足腰の疲れを減らしましょう。水に強い材料であることは忘れずに。さらにはシンクの前に立った時に何が見えるかということ。閉鎖的な空間での長時間の炊事はストレスが溜まってしまいます。窓の外の風景や家族の顔が見えるとやる気アップに繋がりますね。収納は、すぐに手の届く場所にあることも大事です。

 

キッチンスタイルに合わせた照明選び

細かい作業の多いキッチンは照明選びがとても重要です。まずはベースとなる「全体の明るさ」とピンポイントで照らす「手元の明るさ」の2種類を検討しましょう。全体は存在感をあまり主張しない昼白色の蛍光灯やダウンライトがオススメ。影の出にくい拡散タイプの灯りで効率よく光を空間に行き渡らせましょう。しかし、オープンキッチンの場合はキッチン側が白っぽい光の色、リビングダイニング側では赤っぽい光の色を選ぶと同時に点灯させた時にどうしても違和感が出てしまいます。光色はリビングダイニングと合わせるか、食事の時は雰囲気を壊さないようにキッチンの照明を消灯すると良いですね。「手元の明るさ」については集光タイプなど、しっかり手元を照らせる器具を。こちらも食材の色が自然に見える昼白色がオススメ。センサータイプの自動点灯も便利です。

【ベースのあかり】


キッチン全体を明るく照らします。吊戸棚の中にも、食器が取り出しやすいよう光が届くように。

【手元のあかり】


流し台や調理台などを照らします。食材チェックや調理のためにしっかりした明るさを確保。食事をするときは消灯します。


「料理好き&おもてなし好き」のためのキッチンづくり

家を建てる時、重要な場所の1つとしてキッチンの在り方は欠かせません。毎日の食事作りは、家族のライフスタイルの原点として大切なことだからです。さて、キッチンのスタイルは大きく3つに分けられます。料理に集中したい人や片付けが苦手な人向けの”独立型キッチン”、子供から目が離せない人や家族と会話しながら料理したい人向けの”オープンキッチン”、大勢で料理することが多い人・片付け上手な人向けにはオープンキッチンの1つでもある”アイランド型キッチン”。今回は料理とおもてなしの両方を楽しむ”オープンキッチンの色々”をご紹介しましょう。


料理好きは、暮らし方に合わせたレイアウトと作業手順に合わせたスペース確保ができている

1日2食~3食の食事を作ることを思えば、キッチンに立つ時間の割合は多いものの、家全体の面積から考えると「制限されたスペースに、一番物が集まる場所」と言えます。だからこそ、毎日の一連の流れが、スムーズにできるような間取りと、設備や収納のレイアウトを最初に考えておくと便利ですね。さらに一般の家庭ならば、「同じ鍋で作る・同じ食器を出す・使った後は洗ってしまう」の繰り返しが続きます。料理好きな方は、下記のようなルールを想定していることがほとんど。さらには自分が使う立場で検討してみましょう。

  • 熱源はなるべく利き手と反対側に設置する
  • 調理台にはなるべく物を置かず、すっきりとさせる
  • 調味料などは整理して戸棚の中へしまっておく
  • シンクは自分の背丈に合った深いものを選ぶ
  • IHクッキングヒーターなら、熱もこもらず汚れにくい
  • ダイニングを見わたせるオープンキッチンにしてなるべくフラットなキッチンで空間に開放感を出す
  • 洗った食器はすぐ拭いて水切りに放置しない
  • 毎日必要な物とそうでない物を整理しておく
  • 鍋はひと目で取りやすく収納時も並べておく

キッチンにおいて熱源の位置はかなり重要になってきます。なぜ利き手と反対側がよいかといえば、右利きの方なら「フライパンを左手で持って、右手でかき混ぜる」からです。もし右に熱源や壁があったりするととても不便ですよね。たった一歩二歩のことでも、毎日の導線となるとすごく重要になるのです。


会話を楽しめ、おもてなし上手にもなれるオープン&アイランドキッチンのすすめ

近年では、自宅に友人を招き、お菓子や料理を楽しむサロンや教室を開きたいという主婦の方も多くなってきました。そんな方には「何人かのお友達と料理を楽しめる」ように、中央にアイランドカウンターを設けて調理スペースを広くとり、吊り戸棚をなくすなどしたオープンスタイルのアイランドキッチンがオススメです。ランチやお菓子を一緒に作って、出来あがりまでの時間を楽しみます。壁側の調理スペースを含めて、複数のエリアを確保できるので異なるメニューを作れ、のびのびと調理に取り組めます。


家族が集うキッチンで作る楽しみや会話を共有

キッチン&ダイニングを広く取れない方には、II型キッチンとダイニングを直線で並べるスタイルがオススメ。II型キッチンとはシンクや調理器具、調理台、キャビネットなどが並行に配置されたキッチンのこと。ダイニングテーブルと調理台をつなげることで、作る楽しみや会話をシェアすることができる上に、料理もさっとサーブできて効率的。カウンターも活用して、おしゃべりのエリアを複数つくると料理が楽しくおもてなしのルールには、広いキッチン&ダイニングでなければならないということはありません。たとえ一脚の椅子でも、お客様が心地よく感じて楽しんでいただけるなら、そこは最高のおもてなしの場所になります。キッチンに立つ人との距離を近く保てるカウンターがあると、一層楽しくなりますね。


見渡しのいい開放的なキッチン計画

料理好きな方の多くは、フラット型カウンターを好んで選ぶ傾向があります。その理由の多くは「料理していてもお客様や家族とのコミュニケーションも取りやすい」ということ。そんな方には、イラストのようなリビングから、さらに奥へと広がるテラスやウッドデッキまで見渡せる開放的なキッチンはいかがでしょうか。家族が帰宅してから夕飯が始まるまでの貴重な時間も、会話を途切れさせずにキッチンに立ちながら「調理を進める」ことができますね。さらには、「お客様が到着してからテーブルに座るまで」はもちろん、キッチンとの境目がない分、入りやすくなるため、「調理やテーブルセッティングも手伝ってもらえる」ようになります。おもてなしの在り方としてお客様に気を遣わせずに、一緒に用意をするというシーンも生まれて、新しいコミュニケーションのカタチを楽しむことができます。さらに、ダイニングを広くとっておき、来客時にはテーブルを繋げる、または、ウッドデッキにテーブルを出せば、おもてなしのスペースを広げられます。キッチンからの視界を広げることは、気持ちまで晴れやかになり、「料理が苦ではなくなる」という心理的なものも生まれます。開かれたキッチン=会話がはずむ場所となって人生を豊かにしてくれることでしょう。

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